20世紀初頭世界中が資本主義、自由市場と騒いでいた時代、さまざまな問題が沸いてきました。
つまりは、大勢の雇われる人より、雇う人の声のほうがでかくなり、その一部の人はお金をもって
政治家に働きかけ、自分がより肥えるようなシステムを作らせていました。一方被雇用者は過酷な
労働環境の中、人権の無視も横行していました。そんな社会は終わり、これからは労働者主体の
時代が来る!という社会主義の発想が生まれ、それに影響を受けた文学をプロレタリア文学と
いう・・・ってのは歴史の授業で習った通り。
21世紀、結局社会主義を標榜した多くの国は倒れ、世界はますますグローバル化、規制緩和、
自由競争となっています。それがいいか悪いかは別として、東京に出てきてから僕もいくつかの
あまり見たくない、知りたくない「格差」「自由競争の代償」を見ました。そして友人が最近蟹工船を
読んだ、ということで、どういう内容かを聞くことにしました。教養の類ですが、読む機会を今まで
持っていませんでしたし。内容には興味がありましたが。

「蟹工船」は日本を代表するプロレタリア文学作家小林多喜二の本で、過酷な労働環境で理不尽に
働かされる労働者が団結して立ち上がる、という内容で、世界的にも高い評価を得ています。
ただ友人曰く、決してもろ手万歳で社会主義、労働運動を煽るものでもないとのこと。そこはあくまで
小説なので。バックボーンにそういうものがあるよ、という話のようですね聞いたからには。
平成のこの時代に(この時代だからこそ、なのか?)蟹工船がリバイバルブームとのことです。
『働いているのに生活できないのはおかしい』
『人間扱いされているとは思えない』
働いている人の中に、そう思っている人が増えている-という背景があるとか。実際蟹工船を読んだ
友人は毎日12時過ぎなのに残業一切なしという間違いなく労働ナントカ署に訴えられるレベルの
職場環境です。僕は先週1週間だけそれでしたが、それでもうんざりでした。そんなものをずーっと
続けていたら、個としての自分が死んでしまう、そういう強い思いがあり、友人には辞めるよう説得
したりしています。「今会社を辞めたら負け組みだよ」とか言ってくるようですが、何のために働いて
いるんだ、と。間違いなく会社に生かされている状況。江戸時代の農民のような扱いですよ。
僕は現在労働者を大切にしてくれる会社で働いています。が、いつそれがぽんと消えるかは
分かりません。消して対岸の火事とは思えない、そう思います。

